2016年9月28日水曜日

大人数にマジックを見せる⑤(全身を見られるということの練習が難しいこと)

クロースアップマジックでは、どちらかというと、見破ってやろう感満載の、目と鼻の先で奇跡を起こすので、結構技術面が上手くないと、マジックになりません。そういう意味では非常に厳しい環境にあります。
しかし、どちらかというと、手先の器用さ、ミスディレクションのタイミング的なもの、トークしながらの動きをマスターしてしまえば、多少挙動不審な動きをしていても、皆が手先に集中しているため、あまり問題になりません。

サロン系マジックとか大人数の前でマジックを行う場合、マニピュレーション系のバリバリ技術力が必要な演目以外では、どちらかというと、技術的難しさは低いです。その代り、大人数に見せる場合に、観客に指示したいことや、見てもらいたい現象を身体だけで表現することは非常に困難です。もちろん、市販のDVDを真似て練習すれば、不思議と思われる現象を再現することはできますが、それだけで素晴らしいマジックになるかというと、なりません。
対象となるものを指し示し、今から現象が起こるよ、というところで体を止め、体の体重移動をするときも、滑らかに動いているように見せながら、なおかつ、ちょっとオーバー目にアクションを止めてから注目を集め、現象を起こす、ということをしないといけません。これを適当に現象だけ素早い動きをしてしまうと、観客からは早すぎて何が起こったか現象を消化しきるまえに終わってしまうことになりかねません。

こういった全身の動きを一人でマスターすることは非常に難しいです。 なので、全身を見てもらって練習するには
①他のマジシャンに見てもらって練習する
②全身鏡のあるダンススタジオ等で練習する
③動画に撮影して自分で反省しながら練習する
という方法を取る必要があります。

言うのは簡単ですが、実際に①~③の環境を用意して練習することは困難を伴いますので、サロン・ステージ系マジックを行う人がクロースアップ系マジシャンに比べて、アマチュアの分野では少ない理由となっています。

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